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りんごの密の秘密

12月、青森・岩木山麓の花田農園さんを訪ねました。
弘前・岩木山DSC_0072



ここは農業生産法人の有限会社宝荘(ほうしょう)さんで、若い花田社長を中心に、
グループ6人の農家さんがりんごを特別栽培の基準で、しっかり作っています。

花田農園には若いお孫さんから、お嫁さん、おばあちゃん、孫ばあちゃん(曾ばあちゃんを津軽ではこう呼ぶらしいのです)
弟さん、従業員の方、パートさん、みなさんが元気でした。


花田りんごの皆さんDSC_0124



特筆すべきは、大正生まれの85歳の孫ばあちゃんが現役で若い人の動きと全く同じように働いていらしたことです。
感動モノでした。



花田孫ばあちゃんDSC_0059



さらにすごいことに、この農家は数千万円する光センサー装置を導入し、光センサーとコンピューターで、
りんごの大きさ、形、色合い、糖度、中の褐変などを瞬時にチェックし、選果、出荷ができることです。
センサー




冷蔵倉庫には加湿器も付いており、マイナス2℃、湿度108.8%をキープしています。

もう収穫は終わり、行った時は雪が降っていました。

りんごの木に雪が積もった景色は、都会人には新鮮な美しさに映ります。
まるで一幅の絵のようです。



雪のりんご園DSC_0077



ここでもまたいろいろ教わりました。

目からうろこ・・・


「リンゴの蜜そのものは甘くありません」

えっえ―O― そんな馬鹿なー。そんなの学校で教わんなかったよー

蜜って言うくらいだから甘いのあたりまえじゃん・・・


いえいえ実は違うのです。 


蜜そのものは細胞の外にしみ出した水分で、甘さの本質である果糖は、実の中の各細胞に入っています。

でも蜜の入ったリンゴは確かに甘い、という証拠を自ら示しているのですが、蜜そのものは甘くない・・・


変な話ですね。




どういうことか、これから常識を覆す様なお話をします。

では、リンゴの中の様子をミクロで解説します。

まずリンゴの実には葉の光合成でできたでんぷん質が溜まります。

早く収穫したりんごが粉っぽい食味なのは、まだでんぷん質が完全に分解しきれていないせいです。


樹上で酵素がでんぷんを分解して、糖分(果糖)に変えて行きます。

りんごの中に酵素がたくさんあると分解が進み、果糖が実に蓄えられ、結果糖度がどんどん上がります。

やがて実の中の酵素を使いつくすと、それ以上糖度は上がらず、

そのりんごの甘さのピークを迎えるというわけです。


そのりんごは自らの酵素を使い切ってしまい、それでも糖分になれなかった残りがある場合、

蜜(に見える水分=ソルビトールという成分)として細胞と細胞の間に溜まり始めます。

蜜が入るというのは、糖質が飽和してから起こる現象ですから、

確かに蜜の入ったリンゴは甘いと言えます。

しかし密の成分ソルビトールそのものは、糖質の60%の甘さです。


この水分は保湿性があるため、化粧品の原料としても使われています。

りんごを切った時、蜜があるとなんとなく得した気分でうれしくなりますが、

実はりんごで一番甘い部位は違うところにあります。



そこで問題です。

りんごで一番甘い部位はどこでしょう?
1.皮のすぐ下

2.果肉の中間あたり

3.蜜が浸みた芯の部分


答えは来週ーーーーー





では遅いので、すぐ言ってしまいますと・・・

答え:

1.皮のすぐ下=表面の果肉が一番甘く

次いで

2.果肉の中間

最後に

3.蜜の浸みた芯の部分

という、へえー!回答です。


表皮下と蜜が浸みた芯とでは、
糖度で2度くらい違い、表皮下の方が甘いのだそうです。


りんごは全体を楽しむのが王道のようですね。

りんご箱DSC_0029


温度・湿度管理をしっかりしている花田りんごは、まだまだ6月まで楽しめます。
いっぴんサイトでも売っています。
どうぞ岩木山麓の自然の恵みをお楽しみください。


全国をバタバタと走り回っていて気がつくともう夏物の時期です。

書き溜めた、「興味深いい話」をこれからも続けます。


ではまた。

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すんごい みかん

腐らないみかんがあります。DSC_0975_convert_20101206180411.jpg

もう1ヶ月半以上室内においてあるのに、腐りません。
どんどん干からびてミイラみたいになっていきます。
仏様にお供えしたみかんが、ほっとけさまにされちゃったみたいです。


DSC_0029_convert_20101206180455.jpg

ちょっと見た目にはもう食べられないと誰もが思うほどカラカラです。

ところがどっこい!

中を剥いてみると、これが実に瑞々しいのです。


DSC_0036_convert_20101206180727.jpg


ジュースがあふれてきて、しかも甘い! 糖度を測ったら13.5度もありました。

13度以上はエース級ですから、ミイラみかんさんもたいした物です。

完熟して芳醇な香りとしっかりした味。みかんのまた別の味を味わうことが出来ます。




普通のみかんはほおっておくと腐っていきます。


ある人が実験しました。

野菜を並べました。有機栽培の物、慣行栽培の物、自然栽培の物。自然栽培とは肥料を全くか少量しか与えないし、農薬も使わない栽培方法です。

しばらくしてどれから腐り始めたと思いますか? 結果を聞いて実は私もへえーっと思いました。

期待としては、慣行栽培、自然栽培、有機栽培の順と考えたいところですが、

結果は見事に期待を裏切り、有機栽培、慣行栽培、自然栽培の順だったそうです。

信用の於ける自然食品販売の社長が自分で実験してブログに書いていらっしゃるので、間違いないと思います。


私の実験は他の物と比較はしていませんが、腐らないで干からびていくのは写真の通り事実です。

DSC_0037_convert_20101206180634.jpg


これは硝酸性窒素のなせる技ということを説明頂きました。

有機栽培にしても、慣行栽培にしても、完熟していない肥料を入れると土の中で二次発酵して硝酸性窒素が出来ます。それが実に残ると、腐るという方向に行くようです。この硝酸性窒素は人の体にも良くないと言われています。

一般に体に優しい自然栽培の作物は、自身は腐らないそうです。どんどん干からびて行き、最後はミイラの様になってしまう。腐る細胞が発生しないらしいのです。

こういう物を作る農家さんはさぞご自身が心身ともに健康なのだと思います。


DSC_0037_convert_20101206180634.jpg

よく見るとこのみかんは皮が実に張り付いています。皮と実が同時に成長するのでブカブカにならないのです。

皮はごく薄く、剥こうとしてもピッタリくっついているのでちぎれてしまいます。

中の薄皮はとろけるようにスキン状の袋になっています。





DSC_0975_convert_20101206180411.jpg



干からびて腐らないみかん。この自然のなせる技のすんごい意味が分かるようになると、いろんな作物を見る目が変わってきて楽しくなります。

このみかんは、長崎県西海市西彼町の田添孝浩さんという方がみかん一筋30年以上をかけて作り出した貴重「孝兵衛みかん」です。
いっぴんのサイトでのみ内緒話の様に扱わせて頂いております。

でも売っているみかんは、干からびていません。
新鮮そのもの、ピンピンみかんです!



ではまた。

花御所柿

花御所柿という優雅な名前の柿があります。
CIMG0148_convert_20101130191512.jpg

関西方面にはご存じの方もいらっしゃると思いますが、箱根からこっち、お江戸をはじめ関東の人にはあまりなじみの無い名前かも知れません。

実はこの柿、日本で一番甘い柿と言われています。柿は日本の特産品ですから、変な言い方ですが世界一甘い柿と言えてしまいます。いなばの白ウサギで有名な鳥取県因幡郡(いなば郡)の特産品です。

花御所柿


以下は花御所柿の蘊蓄(うんちく)です。

花御所柿は、鳥取県の東部、因幡地方にのみ栽培され、しかもその9割が「郡家町(こおげ町)」というところで産出されている非常に珍しい柿です。大振りで丸く平たいボディーですが、先っちょが少し尖ってそこだけ円錐形をしています。

しかも不思議な事にこの「花御所柿」は、「郡家町」の中でもごく一部の限られたところでしか品質の良いものがとれないのです。そこは、旧「大御門村(おおみかど村)」内で、発祥の地「花(はな)」をはじめ、「大門(だいもん)」「西御門(にしみかど)」「殿(との)」「市の谷(いちのたに)」など。

こうげの花御所柿

なにかしらゆかりのありそうな地名のところばかりです。なぜこの限られた地区だけしか良いものがとれないのか詳しい事はわかっていません。

土と気候がその大きな要因と言われていますが、なぜかこのごく限られた地域が良い花御所柿を産出するのです。

花御所柿たわわ

花御所柿の栽培はとても難しく、へたの割れや果実の表面の汚れが現れやすいなど栽培にはとても苦労しています。また熟れているかどうかの見分けが木の上ではむずかしいので、収穫の時にも気を使います。ベテランの栽培者が細心の注意を払って一つひとつ丁寧に慈しむように栽培しています。

自慢の花御所柿

土作りの堆肥は有機質堆肥を入れ、化学肥料は樹に元気の要素を送り込むために多少使います。農薬はできるだけ使用回数を減らし、最低必要限の使用に留めています。
農薬使用基準の希釈倍率で使用していますので、残留農薬はありません。
除草剤は使わずに、梅雨前に草を刈ります。日差しが強くなると地肌が高温になり土に良くありません。梅雨明け直前に山草、稲わらなどで土を覆いマルチします。こうすることで土からの水分の蒸散を防ぎ、有機植物由来のミネラルを土に与え、それが根から吸収され味わい深い柿ができます。

柿の表面に白い粉の様なものが現れますが、これはブルームと言って熟した新鮮な柿の証拠です。無害ですので、食べる直前に拭くか洗ってお召し上がりください。
またこの柿の特徴で、黒い輪っか状の模様があらわれることがあります。これは汚れやキズではなく、熟して甘い証しですのでご安心ください。

栽培に適している地域がごく限られているので、他の町村や県外などで栽培や販売がなかなか広がらないので、まさに幻の柿というわけです。

花御所柿の亜種は全国に多くの別名が存在し、わが国における甘柿の文字通り大御所的な品種といえます。


【花御所柿の特徴】

花御所柿は肉質がとても緻密で果汁が多く、糖度が20度以上でとても甘い品種です。

おいしい花御所柿

ただし、熟していない時はまだ渋く、霜月11月になって霜がおりるようになると葉が落ちはじめ実も赤くなって甘くなります。
その味は甘柿の中では最高といわれ、とろけるような味は一度食べたら忘れられません。
また、ほんのりと渋みが口に残るのも特徴のひとつです。

収穫期が11月中下旬から12月中旬と他の品種に比べ遅いため、出荷量の6割は贈答などの進物用として販売されています。

花御所柿収穫

先月いなばのこうげにのこのこと商談に出かけて行きました。

お陰様で花御所柿を扱えることになり、関東地方に改めてデビューするお手伝いをさせていただくことができました。こうげの皆様ありがとうございます。
お客様皆様、日本でも珍しいこうげのあま~い花御所柿をご賞味ください。

ではまた

みかんのおいしい食べ方

みかんが日に日においしい季節となってきました。
甘くておいしい山下紅みかん

みかんのおいしい食べ方をご紹介します。


ご承知かも知れませんが、

みかんをモミモミしてあげると、より甘く感じるようになります。

これはみかんの中のクエン酸が消費される為です。


甘い山下紅みかん


みかんは呼吸をしています。呼吸するときに実の中のクエン酸が消費されます。モミモミは呼吸を早めるいわば人口呼吸の様な効果をみかんに与えます。

クエン酸はすっぱみの元です。クエン酸が無くなれば甘さがより感じられるという訳です。

大学の実験では酸味度1.54が3分ほどモミモミしてあげると、1.52になったという結果が出ています。

ヘっそんな少し?とお思いかも知れませんが、人間の舌はとても敏感で、少しの違いも見逃さず、酸っぱさが減ったと感じるそうです。

蔵出しみかんは蔵の中でじっくりとみかんに呼吸をさせてすっぱみを蒸散させます。
また完熟させることで、すっぱみを甘味に変えてしまいます。
思いっきり酸っぱいみかんは完熟させると思いっきり甘くなれる要素を持ってると言えるのだそうです。

昨日で最終回の「龍馬伝」、坂本龍馬の様な思いっきり桁外れの人間が、思いっきり桁外れなことを成すのに似ていますね。

なんかみかんで例えるのは龍馬先生に失礼でした。すみません。



ついでにみかんの剥き方です。
あなたはお尻から剥きますか?それともてっぺんから剥きますか?

たいていの人はお尻から剥くと思います。指が入りやすいからでしょう。

みかんはてっぺんから剥くと、白い繊維が取れやすいという特徴があります。てっぺんから剥くとオレンジ色のみかんがすぐにあらわれます。

お尻から剥くと白い繊維がたくさん残る 

みかんを上から向くと白い繊維が取れる


どうぞ試してみてください。


ではまた。



おいしそうなもの

24日長野県の食材商談会に行ってきました。
そこで見かけたおしいそうなもの。珍しい物を写真で紹介します。



かわいいリンゴ「ピンクレディー」

 かわいいリンゴ「ピンクレディー」 
 
パッケージはハート形のフランス製

 パッケージはハート形のフランス製


味は甘くしまっていておいしい!

 味は甘くしまっていて、おいしい!  「ピンクレディー」は恋人たちのりんご




信州サーモンのマリネ

信州サーモンのマリネ。さっぱりしておいしい。きめ細かく肉厚な身に淡泊な旨味が凝縮されていて、トロリととろける味は最高。クセが無く和洋中どんな料理にも合いそう

これが信州サーモン。淡水魚。
これが信州サーモンの正体。  淡水育ちのニジマスとブラウントラウトから生まれたサーモンを思わせる銀色の体と紅色の身が特徴




常盤牛蒡

これは炭の料理? ではありません。     
信州特産 常盤ゴボウです。身はしっかり締まり、味を包み込みます。食べると柔らかでした


ではまた。
プロフィール

いまじん

Author:いまじん
ニックネーム:いまじん
性別:おとこ
年:丑年
職業:バイヤー
デザイナーズファームで主に果物、野菜の仕入れ・販売を担当しております。
趣味:旅、グルメ、バーバーショップハーモニーコーラス、百姓のまねごとetc 

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